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……灘さんは祖父が決めた婚約者だ。
でもまさか…
「高校生とか?」
「そうだな。制服だったから」
「……////っ」
「俺は子供時分から君のおばあ様には可愛がっていただいていたのだが、おじい様はなかなか頑固者だったな。俺は子供の頃から尊敬していたし、おじい様も目をかけてくださっていた。幼い頃から俺は君のおじい様から薫陶を受けていたからな。
しかし、君の婚約者としては、なかなか認めてもらえなかった。
だが、10歳の頃、婚約の話が出て、俺の実家が失墜し、おじゃんになり、這い上がって再び君のおじいさんに目をかけていただいた。
そして改めて、君の写真を頂戴し、拝見して……
それから君の高校をこっそり見に行った」
「えっ?!」
私は驚いて小さく叫んだ。
「知りませんでした」
「そうだろう」
灘さんはブラシで私の髪を梳きはじめていた。
「声はかけなかったが
一度……いや……何度か……。本屋で隣に並んで」
「……え////」
「……今の話だと……俺は君へのストーカーみたいか?」
「い、いえ……」
正直言って、少しそう思ったけれど
私は全然気がつかなかったのだから、いやらしい雰囲気では全くなかったのだろう。
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