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しばらくの間、他愛のない話をしながらも登校していると曲がり角から一人の女子が飛び出して慧夜とぶつかった。
その女子はクラスメイトの一人だったが、名前は覚えてない。
「きゃあ!す、すみません!」
「いや、大丈夫?えっと、確か陽菜<ひな>ちゃんだったよね?」
と慧夜が名前を言ったところでクラスメイトの陽菜さんの後ろから、厳つい顔をしたおじさまが何人も走ってきた。
何か怒鳴りながら走ってきてるが何かあったのだろうか?
・・・・・・・
「っ!助けてください!あの人たちに追われてるんです!」
「あっ、マズい!俺パスだから!」
「えっ?あ、おい!御影!?」
アイツ、いきなり走り出してどうしたんだ?
と思っていたら逃げた原因が分かった。そうだよ久々にこいつらと登校してたら絶対起こるイベントじゃないか。
「なんだって!僕が何とかするから逃げるんだ!」
「あ、しまった。久しぶりに一緒に登校するからこうゆうこと忘れてた」
最悪、慧夜置いて登校してもいいのだがそれをすると慧夜ファンクラブにぶっ殺されるしだから一緒に登校するのが嫌だったんだ。
ボケてたわ。
「え?でも、大丈夫ですか・・・。」
「うん。大丈夫だから早く逃げて」
きらめく笑顔で女子を逃がすと振り返って追いついたおじさんたちを睨む。
さっきの陽菜ちゃん、顔を赤らめていたし絶対に恋愛フラグに落ちたな、とこれから起きることに考え事をして逃避していた。
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