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烏丸ありすさんは火曜日のお母さん。
どこで身に着けたのか、格闘術や暗殺術に優れていて、ボクのバトルの師匠だ。
……暗殺術って……。
小学校までと違い、女の子ってことにしてるから喧嘩は封印している。
たまにグーで殴ってやりたい奴もいるが、我慢、我慢。
そうそう、クラスメイトの半谷君。
彼をいじめてた連中も、全員ぶっ潰してもいいんだけど、それじゃあ、解決にならない訳よ。
昔、お父さんが言ってた。
「腹が減っている相手に魚をあげるのは良くない。魚の取り方を教えてあげるべきだ」って。
だから、何があっても助けてもらうんじゃなく、先ず自分で切り開くようになった。
半谷君は喧嘩はダメそう。
でも、半谷君なりの特技っていうか、切り札を持っているなら、それを使うべき。
同郷だし、ボクは普通に会話したり、マンガ借りたり、他のクラスメイトと同じように接している。
いじめもしないし、無視もしない。
ボクには、生まれついてのカリスマ性があるらしく、何か許されちゃうんだよね。
男子からも、女子からも。先生からも。
で、ゴールデンウィーク目前に、やっぱりと言うか、来ちゃうわけ。
呼び出し? 告白?
中等部3年生の先輩に呼び出された。屋上に抜ける階段。
あい梨の話だと、サッカー部のエースで、プロチームのユースにも所属してるんだって。
多分、本気出したら、ボクの方がスーパーゴール決めれるけど。
とにかく、ファンクラブもあるような先輩なんだって。
でも、彼氏なんて要らないし。
だってボクは、本当は男の子だから。
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