第3話 火曜日のマザー(HEAVEN篇)

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烏丸(からすま)ありすさんは火曜日のお母さん。 どこで身に着けたのか、格闘術や暗殺術に優れていて、ボクのバトルの師匠だ。 ……暗殺術って……。 小学校までと違い、女の子ってことにしてるから喧嘩は封印している。 たまにグーで殴ってやりたい奴もいるが、我慢、我慢。 そうそう、クラスメイトの半谷(はんがい)君。 彼をいじめてた連中も、全員ぶっ潰してもいいんだけど、それじゃあ、解決にならない訳よ。 昔、お父さんが言ってた。 「腹が減っている相手に魚をあげるのは良くない。魚の取り方を教えてあげるべきだ」って。 だから、何があっても助けてもらうんじゃなく、先ず自分で切り開くようになった。 半谷君は喧嘩はダメそう。 でも、半谷君なりの特技っていうか、切り札を持っているなら、それを使うべき。 同郷だし、ボクは普通に会話したり、マンガ借りたり、他のクラスメイトと同じように接している。 いじめもしないし、無視もしない。 ボクには、生まれついてのカリスマ性があるらしく、何か許されちゃうんだよね。 男子からも、女子からも。先生からも。 で、ゴールデンウィーク目前に、やっぱりと言うか、来ちゃうわけ。 呼び出し? 告白? 中等部3年生の先輩に呼び出された。屋上に抜ける階段。 あい梨の話だと、サッカー部のエースで、プロチームのユースにも所属してるんだって。 多分、本気出したら、ボクの方がスーパーゴール決めれるけど。 とにかく、ファンクラブもあるような先輩なんだって。 でも、彼氏なんて要らないし。 だってボクは、本当は男の子だから。
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