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第2話 月曜日のマザー
世界は暗号で満たされている。
この暗号を解くためには、どこの国の言語が必要だろうか?
「おはよう、碧!」
日本のJC達は今日も朝から元気だ。
あ、ボクもJCなんだっけ、そういえば。
「おはよう、あい梨」
彼女はクラスメイトのあい梨。何で『り』だけ漢字なのかは分からない。
何だかんだで、ボクもJCライフに馴染んでいる。
我ながら、環境適応能力にはビックリする。
「ね、ね、今日も帰り遊びに行けないの?」
小動物みたいな瞳でボクを覗き込むあい梨。
普通にかわいい顔だと思う。
「ごめんね、落ち着くまでは早く帰って来いってお母さん達がうるさいんだ」
「過保護じゃん。昨日もおんなじ断り文句。いつも家で何してるの?」
「主に雑談かな。ま、週一でしか会えないからさ、お母さん。引越ししたてで大変なんだよ」
「え? 週一でしか会えないってどういうこと?」
「うちはお母さんが5人いるから。あい梨は? お母さん何人なの?」
「何それ? 何気にウケるんだけど。変な冗談! アハハ」
ボクは、それ以上、言葉が出なかった。
どうやらお母さんって普通は1人らしい。
お母さんが5人いることは秘密にしておこう……。
でも、うっかり口を滑らせたら厄介だな。
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