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まだ俺は歩いて行ける。
いつになるか判りもしない、手に出来るか判りもしない。
ただ俺の目指す物は確かなゴールなど無い物である事だけは間違いがない。
だけど背中を押してくれる母がいる。
声優に、なりたい。
母は決して『頑張れ』とは言わない。
俺が頑張っていると解っているからだろう。
ただ見送り、見守ってくれている。
母に『今、夢はあるのか?』と訊いた事がある。
「あははは!母の夢かぁ~!そうか、夢ねぇ~……」
高らかに笑い、母は思案してからニマニマとして答えてくれた。
「あんたの夢が叶う事だな」
……俺は、前を向いて歩いている。
~fin~
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