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『はぁーい、真希ちゃん。ママですよー』
初めて画面の中の母に会ったのは、母が亡くなった三つの時。
母は私を産んで間もなく病に倒れ、私を育てることなく長い闘病生活を強いられ、最終的に医師に余命一年を宣告された。
残りの寿命を知った母は、次の日から取り憑かれたようにビデオカメラの前に向かうようになったそうだ。
何もしてやれなかった娘の私に、してやりたかったことを動画という形にして遺すため。命が尽きるその日まで、母は動画を撮影し続けた。
そして母は、宣告を受けた10ヶ月後に天国へと旅立って行った。
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