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「しかし、どうやったら戻れるんでしょうね」
「ああ。そうじゃな」
ホイットニー神官は助手のセーファスの切実な疑問に頷きながら答える。
ホイットニーとセーファスは、龍の星で転職の神殿を営んでいた。ホイットニーは150年以上もの間神官を務める大長老で、膨大な知識量、分析力、観察力、人の素質を見抜く慧眼を持ち、あまねく人々から畏敬の念を持たれていた。ホイットニーが木こりから魔法使いへと転職させたジョンが大魔王撃退において獅子奮迅の活躍を見せたのは龍の星でも記憶に新しい。
ところがその大魔王が果てるとき、その断末魔とともに龍の星に異変が起きる。星の数カ所に亀裂が生じ、そこに存在する一部の人々、建物などが異空間へと飛ばされてしまったのだ。かくしてが2人は地球、しかもこの日本に飛ばされたのである。
神殿には災害時に避難してきた住民用の非常食が存在していたがそれもわずか。2人は日銭を稼がねばならず、ここ「マーダの転職相談所」を始めたのである。
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