epilogue

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epilogue

 それからふたりがどうしたかというと。  もとの世界にかえりたいとはおもいませんでした。ふたりとも、あまりいい思い出がなかったからです。  そして、であった鬼が島にすもうかともおもったのですが、あそこには洗濯するのにつごうのいい川がありませんでした。  というわけで、シンデレラがかつて魔法つかいと暮らした山あいの家が、ふたりの新居になりました。犬も猿も鳥も、すぐちかくにすみました。  ある日のことです。  王子さまは、かなぼうがわりの枝を刈りに山へ、シンデレラはながい旅路でまっくろになったドレスを川へ洗濯しにいきました。  シンデレラが川につくと、川上から大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきます。 「あらまあ」  おどろいたシンデレラは、大きな桃を両腕にだいて、よっこらしょと家にむかいました。中からは「かりかりかり」と、小さな音のきこえる気がしました。
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