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 むかしむかしあるところに、魔法つかいとシンデレラがいました。  魔法つかいはほうきの材料にする木の枝を刈りに山へ、シンデレラは継母たちに投げつけられた雑巾をかかえて川へ洗濯にいきました。  シンデレラが川につくと、川上から大きなかぼちゃがどんぶらこ、どんぶらこと流れてきます。 「あらまあ」  おどろいたシンデレラは大きなかぼちゃを両腕にだいてよっこらしょと家にかえりました。  魔法つかいはかぼちゃをみると「ちょうどいい、ばしゃをつくるのにぴったりだ」といってさっそく魔法をかけようとしました。 「ちょっとまってくださいな」  シンデレラが耳をすますとかぼちゃの中から「かりかりかり」とちいさな音がします。裁ちばさみで丹念にかぼちゃをきりひらくと、中からなんと犬、猿、鳥が出てきました。 「すばらしい。犬はばしゃをひく馬に、猿はたづなをにぎる御者に、鳥はおつきの従者になるぞ。あすの夜ひらかれる鬼が島での舞踏会にも、きっとまにあうだろう」 「まあうれしい」  シンデレラはさっそくドレスにきがえました。 「あすの満潮はちょうど真夜中、子の刻だ。島からこちらの岸に渡れなくなるから、ちゃんとそれまでにかえるんだよ」  魔法つかいはシンデレラによく言いつけました。
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