26時のわすれもの

3/7
前へ
/7ページ
次へ
「ふん、ねぼけているんですか?『さいしゅうバスに乗りそびれたよっぱらい』か『リストラされて家にかえりにくいサラリーマン』ですか? それともロリコンゆうかいまさんですか」 「な、なんだその生々しい例えは。どれも違う!」 「では、どうしました? ああ、かのじょさんにでもふられましたか」 「……どうしたはこっちのセリフだよ。小学生が出歩いていい時間じゃねーだろ。迷子か?」 「ちがいます。月子はおむかえを待っています」 「待ってるって……。ええと、月子? もう夜中だぞ。家はどこだ。送ってやる」  差し出した俺の手を横目で一瞥すると、月子はそっぽを向いた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加