さやま遊園の妖精

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さやま遊園の妖精

まだ南海電鉄の駅に灰皿があった頃、僕が駅のホームでタバコを吸っていると、みすぼらしい仙人みたいなおっさんが近よってきて、 「ええ天気やな」と声をかけてきた。 おっさんは、手にスーパーのビニール袋を持っている。 ……あれ? 僕は空を見上げた。 まちがいない。今日の天気は曇りです。 「兄ちゃん、それなんや?」 曇り空からおっさんに目を移すと、おっさんは僕の指先を見つめていた。 「見てのとおりタバコだよ」 「アホ! そんなもんわかってるがな。銘がらや、銘がら」 「ハイライトだけど?」 「ヘェ~、ハイライトってどんな味なん?」   
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