2人が本棚に入れています
本棚に追加
えっ?
思いも寄らない事を唐突に言われ、沙紀は、にわかに混乱した。
しかしその一方で、冷静になろうとする自分が言葉を紡ぐ。
「何か、やりたい事でもあるの?」
「うん……」
そして彼が語ったのは、ずっと彼の胸の内に収めてきた、ある夢のこと。
「俺が生まれ育ったのは、小さな山間の村でさ。
今じゃ、人口の半分以上がお年寄り。
けど、昔から林業と農業に頼ってきた所だから、それの高齢化が進んでも
目立った産業もなくて、過疎化が進む一方」
しかし大学進学で村を離れて以来、彼は
ずっと、その故郷をなんとか元気に出来ないかと考えていたという。
「それでさ、この前ちょっと見付けてね」
その見付けたものとは、「自然学校」を展開するNPOだという。
最初のコメントを投稿しよう!