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「そこで話を聞いてみると、あの村と似たようなケースっていうのは、
今の日本じゃ結構あるらしいんだ。
だったら俺の田舎の村も含め、そんな場所を
『自然学校』で元気にする手伝いができないだろうかって、思ってさ」
そして彼は、そのNPOのフランチャイズ化に一役買いつつ、
自然学校の講師となるべく学びたいと語る。
しかしそれを聞いた沙紀は、再び大きく戸惑った。
「もしかして転職したい先って、そのNPOなの?」
「うん」
「それで転職したら、東京を離れるの?」
うん、たぶん。
真っ直ぐに視線を向けたままの彼の横顔を見つめ、沙紀は完全に困惑した。
しかし、そんな彼女の目の前に、ゆっくりと彼の視線が向けられる。
「俺さ、いつか自分の田舎に自然学校を作って、
一年を通じて、都会から人々が自然を味わいに来てもらえるように
したいと思うんだ」
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