6 氷の女王(つづき)

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「えっ? じゃあ、お手伝いします」 「バシリでも、何でもやりますよ」 そしてこれは、もう沙紀にとって明らかに領域侵犯だった。 だから彼女は、ぴしゃりと二人を遠ざけた。 「これは、あんた達には関係ないこと。だから、放っておいて」 えっ……。 目の前で、あからさまに二人のチャラ男が凍り付いた。 それと同時に、彼女たちの間の空気もギシッと凍る。 ほんのわずかの間、三人は箸を持ったままで固まったように 互いに、ぎこちない視線を向けていた。 それを、そっと破るように沙紀の隣に座る宮田が、やんわりと口を挟む。 「ま、せっかくのお休みだから、 みんな、それぞれで楽しめばいいんじゃない?」 そして、「お祭り、おばちゃんと一緒に行く?」と お茶目にチャラ男たちを誘う。 それに、どこか呆然としていた佐々木たちが「あ、……はい」と コクンと頷いた。 「うん。じゃあ、一緒に行こう」 淡く苦笑を浮かべつつ言った宮田に、目の前の二人が黙って頷き返す。 それを目に、沙紀は、再び箸を動かし黙って食事に戻っていった。
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