愛されイディの異世界観光

01 当選おめでとうございます！

　抱かれたい、休日さんに抱かれて飛んでイキたい！

　……とりあえず、落ち着け俺。

　どんなことでも準備というのがなによりも重要なのだ、このまま昂揚感に任せて乗り込んでしまっては確実に深刻なエラーが起きる。そうならない為に何よりも情報が鍵になる、聞いただけの知識でも知っているのと知らないのでは、致命的な差が生まれるのだ。

「それで、あの。その短期観光の内容と、具体的にどのぐらい日数とスパンで行われるのでしょうか？」

「そうだね、基本的に日帰りだと思ってくれていいよ。
　観光内容については後でカタログみたいなのに纏めておいてあげるから、それを見ながら好きなところを回ればいいんじゃないかな。
　スパンは週に一回、日曜の朝からうちの世界に来て、どれだけ長く居ても、それこそ向こうで日をまたいでも、こっちの世界の月曜日の朝に帰って来られるように設定してあげるよ」

　素晴らしい、世の中こんなに旨い話があるものだろうか、旨すぎて吐きそうだ。

　いや、月曜日からの逃避行を望む俺にとっては、願ったり叶ったりである。休日に時間を気にせず、交通費を掛けず、文字通り世界中を旅行出来るというのだから。

　しかし、旨い話には裏があるのが世の常である。