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「姫、姫、・・・・・・エリザ姫?」  思考の海に漂っていたのをばれてしまったらしい。呆れたようなアインの声に、私はまたもやよだれを零してしまったのかと口元を拭う。 「姫として、それはどうかと思うのですがねぇ」  我が国のいいところは、身分の上下に関わらずそんな事を言えるところだろうか。 「西の森には第二騎士団、国境沿いの警護には第三騎士団で編成を組むように。西の森の指揮は私がとらせてもらう」  リュークが私に了解もとらずに、そう決めてしまった。いつものことだ、リュークは私の魔力の受け皿で、その魔力が過剰に堪りすぎないように放出しなければならいないのだ。危険な場所に行って戦うことが、私と、そしてリュークの命を守ることになる。  ちなみに国王の第一騎士団は、姿も形も見たことがない。もうだれ一人としていないのだという話と、国王のように長生きをしていて姿を隠しているという話がある。どちらが本当か、そんなことすらも私は知らない。 「リュークの指示通りに――」  私の言葉が一応最後の締めくくりとなる。どんな敵がいるのかも、何が起こっているのかもしらないままに、私は採決を下すのだ。  それが我が国のいつものこと――。
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