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「...そっか」
理屈じゃない、か。
そう言われてみると...そうなのかも。
心がフッと軽くなる。
...あれ?
「莉奈...私、東条が好きだって莉奈に言ったことあったっけ」
『え?んーん、そーいや聞いたことないですな』
「……今の話、さらっと聞いてくれてたけど...気づいてたの?」
『わかるよーさすがに。勉強会したときだって普通にオーラ出てたじゃん』
「オーラ...」
てか勉強会のときって...私本人でさえあの日の最後に自分の気持ちに気づいたんだけど。
もっと前から莉奈は...!?
「あぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!わゎ、なっ、」
声にならない叫び声が部屋中に鳴り響き、頬が真っ赤に染まっていく。
『ふふふふふ...ある意味桃より桃のことわかってるからね、私』
楽しそうにクスクスと笑いを漏らす莉奈。
恥ずかしすぎるよ...。
「もぉー!そういう莉奈はどうなのさ?なんかないの」
『えっ?...と、私?...は』
珍しく莉奈が歯切れ悪く呟いた。...おおっ?
「オイオイ莉奈さんーちょーっと詳しく聞かせてくれないかい?」
「あぁぁぁぁぁ!!!!!、何にもないってばぁぁぁ!」
形勢逆転だなっ!
私は笑いながら莉奈を茶化す。
心がふわっと軽くなっていく。
不安も嫉妬もあるけど。
怖がらずに向き合っていこう、と思う私だった。
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