5人が本棚に入れています
本棚に追加
...すごく何か言いたそう...そしてすごく聞きたい。
身を乗り出して話を聞こうとした瞬間、先生が入ってきた。
うっ、また後で聞こ……。
「起立!れーい」
朝のホームルームが終わった。
「美緒っ、何があっ」
「桃ーっ!」
ぼふうっ!
美緒が泣きそうな顔で抱きついてくる。
その手にはピンク色の封筒が握られていた。
「…………これって、まさか」
靴箱の中に入ってたりする...。
告白に使われる道具というかその……。
答えに困って思わず黙りこんでいると、美緒があっさりとその名前を口にした。
「……ラブレター...靴箱に、入ってたの...」
「ふおぉぉぉ!?...おぉ、おう」
いや、美緒美少女だからさ...おかしくないけどね。
「え、でそれで遅れちゃったの?」
「うん……あのね、朝来たら靴箱にこれが入ってて...びっくりしちゃって。慌ててたら予鈴鳴っちゃって」
美緒が困ったように眉を寄せると、サラサラの黒髪が揺れた。
「……で、誰からだったの?」
その髪をヨシヨシと撫でながら聞いてみる。
美緒は上目遣いでこっちを見てきた。...うっ、キュンってする。
「それがね……先輩、なんだ」
最初のコメントを投稿しよう!