第2章 カラメルプリンと突然のラブレター

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...すごく何か言いたそう...そしてすごく聞きたい。 身を乗り出して話を聞こうとした瞬間、先生が入ってきた。 うっ、また後で聞こ……。 「起立!れーい」 朝のホームルームが終わった。 「美緒っ、何があっ」 「桃ーっ!」 ぼふうっ! 美緒が泣きそうな顔で抱きついてくる。 その手にはピンク色の封筒が握られていた。 「…………これって、まさか」 靴箱の中に入ってたりする...。 告白に使われる道具というかその……。 答えに困って思わず黙りこんでいると、美緒があっさりとその名前を口にした。 「……ラブレター...靴箱に、入ってたの...」 「ふおぉぉぉ!?...おぉ、おう」 いや、美緒美少女だからさ...おかしくないけどね。 「え、でそれで遅れちゃったの?」 「うん……あのね、朝来たら靴箱にこれが入ってて...びっくりしちゃって。慌ててたら予鈴鳴っちゃって」 美緒が困ったように眉を寄せると、サラサラの黒髪が揺れた。 「……で、誰からだったの?」 その髪をヨシヨシと撫でながら聞いてみる。 美緒は上目遣いでこっちを見てきた。...うっ、キュンってする。 「それがね……先輩、なんだ」
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