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「ちょっ……」
かあっと頬が熱くなった。
私のアホ!意識しすぎだよ……。
でも...嬉しいんだよ、やっぱり。
好きになってもらえる可能性とか多分ないし、自信なんか全くないけどさ……。
この気持ちを隠さなくても、別にいいよね?
私は腕を引かれて歩きながらふうっ...と溜息をついたのだった。
「で?どーゆことなの?」
「ん...それが」
屋敷の中に入り、使用人さんに紅茶を入れてもらう。
こんな状況だけどこのココアサブレ美味しそうだなぁ...。
東条にはバレないようにいそいそと机の上のサブレを手に取る。
サクッとかじると、フワリ...と優しいチョコの甘みが広がった。
んー!たまらん。
「...……」
要件を完全に放棄してココアサブレを堪能していた私は、正面からの冷たい視線を感じた。
こっ、怖!
「...すみません」
私はすごすごと大人しくサブレをお皿に置く。
「...話するぞ」
「ハイ」
「まず、椿さんが今どこにいるか...ってことだけど」
「うん」
「椿さんは叔母さんと一緒にいるらしい」
「えっ?」
えっと...叔母さんって親戚だよね。それならもっとすぐ見つかってたハズじゃ……?
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