第1章 雨降る空とココアサブレ

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「ちょっ……」 かあっと頬が熱くなった。 私のアホ!意識しすぎだよ……。 でも...嬉しいんだよ、やっぱり。 好きになってもらえる可能性とか多分ないし、自信なんか全くないけどさ……。 この気持ちを隠さなくても、別にいいよね? 私は腕を引かれて歩きながらふうっ...と溜息をついたのだった。 「で?どーゆことなの?」 「ん...それが」 屋敷の中に入り、使用人さんに紅茶を入れてもらう。 こんな状況だけどこのココアサブレ美味しそうだなぁ...。 東条にはバレないようにいそいそと机の上のサブレを手に取る。 サクッとかじると、フワリ...と優しいチョコの甘みが広がった。 んー!たまらん。 「...……」 要件を完全に放棄してココアサブレを堪能していた私は、正面からの冷たい視線を感じた。 こっ、怖! 「...すみません」 私はすごすごと大人しくサブレをお皿に置く。 「...話するぞ」 「ハイ」 「まず、椿さんが今どこにいるか...ってことだけど」 「うん」 「椿さんは叔母さんと一緒にいるらしい」 「えっ?」 えっと...叔母さんって親戚だよね。それならもっとすぐ見つかってたハズじゃ……?
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