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「♪??♪?♪?」
翌朝、気怠さの中アラーム音で目を覚ます。
昨夜は久しぶり過ぎて珍しく、激しく甘い時間を堪能した。
全然余韻から醒めていないのに、隣には奴の姿は既に無かった。
アラーム設定した覚えないけど...
止めると同時に時間を見ると、もう起きて準備しないと間に合わない時間だ。
もう少し眠っていたいのにドラマの撮影に間に合わない。
重い身体を起こし立ち上がるが力が入らず思わずフラつく
睡眠時間と身体を犠牲に俺は昨夜の甘い時間を手に入れた。
「代償が大き過ぎ...」
ボヤきながらシャワーを浴び気怠い身体を喚び起こした。
シャワーから出てそのままになっていたテーブルの上に置かれた花束に目が行く。
そのままにしていたら枯れてしまうだろうか...
でも面倒だよな。
濡れた髪の毛をタオルで拭きながら花束をちょっと恨めしそうに見ているとカードが挿さっているのに気付いた。
小さな一枚のカード。
気になって手にして見ると、見慣れた奴の文字。
『世界で一番大切な君へ』
恥ずかしい奴め...
コレをどんな顔して書いたんだか...
俺は小さなカードを大切に携帯カバーのカード入れに挿し入れた。
「しょうがねーなっ!」
花束を抱え風呂にバケツを用意し、花束を解いて取り敢えず奴の言うようにバケツに突っ込んでおく事にした。
「帰ったら花瓶に入れてやるよ!」
バケツの中の花束に呟き浴室の扉を閉めた。
「今日も行きますかっ!」
気合いを入れて部屋を後にする。
今日も又何気ない一日が始まる。
何気ない毎日の中、ほんの僅かな特別な時間が俺の中で活力へと変わっていく。
暫くは大丈夫そうだ。
俺は小さなカードが入っている携帯を握り締め雑踏の中歩き出した。
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