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いつものようなやり取り。
これで奴との関係性が変わる事もない。次に会う時には、何らいつもと変わらず何事も無かったかのように接する。
もう何年も前からそうだったように。
次に一緒の仕事はいつだろうか?
今の所スケジュール表には奴との仕事は記されていなかった。
電話をしてどのくらい時間が経っただろうか?
深夜のバラエティー番組を何となく見ていると急に来客のチャイムが鳴る。
こんな深夜に誰が?
友人がサプライズでお祝いでも来たか?モニターに映っていたのは、まさかの奴だった。
俺は何も言わず鍵を開ける。
暫くして玄関先のチャイムが鳴った。
ドアを開けたら奴は照れたように笑い
「よう!」と手を挙げた。
そして後ろに隠していたもう片方の手を差し出される。
そこには綺麗な花束。
「日付け変わっちまったけど、誕生日おめでとう」
柔らかく笑う奴の笑顔。
まさか会いに来てくれる何て思ってもみなくて...嬉しくて嬉しくて泣きそうだ。
なのに又嬉しさを隠すように嘘を付く
「花束何て管理が大変だっ!」
そう言いながら花束を受け取る。
「まあまあバケツでも入れとけよ!」
バケツって...大して気にもせず色気の無い返答...
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