世界で一番大切な君へ

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取り敢えずテーブルの上に花束を置く。 「本当は来るつもり無かったんだけど」 ソファーに座りながら、ちょっと奴は不機嫌そうに口にする。 「だろうな」 そんな事は分かっている。 じゃあ何でわざわざ来たんだよ。 不機嫌そうな奴の隣に俺も座った。 暫くお互い黙り込む。 「明日早いのか?」 沈黙を先に破ったのは俺。 「ああ、朝早くからロケ入ってるからな。」 「そっか」 だから来るつもり無かったんだな。 「なのにお前がめっちゃ会いたいって言うから!」 「はぁー?!誰が会いたいって言った?!俺は一言も会いたい何て言って無いだろうが!お前殴られてーのかっ?!」 マジ頭に来るっ!! 会いたいけど忙しくて会えないの分かっているからそんな事言えねって思っているのにっ! 俺は俺なりにお前の事ちゃんと理解しているのに... 「だってお前電話で怒鳴ってたじゃん。あれってそう言う事だろう?」 確かに。否定は出来ないが、売り言葉に買い言葉的つもりだったし、何より会いたいと思う気持ちがあんな会話で通じていたなんて思ってもいなかった。 「マジずっとすれ違いで全然会え無かったし、でも仕事いい訳にしてたら本当にずっと会えないままだなーって思って反省したよ。大切な奴の誕生日ぐらいは無理してでも会いに行くべきだよな?」 奴の言葉に何も言え無かった。 何かを犠牲にしてでも時間を作れば少しでも会える。 確かにそうだよな。 ちょっと保守的になり過ぎていたのかもしれない。 「我慢させてごめん」 奴は呟き俺を抱き寄せ俺達は唇を重ねた。
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