第10説 信太森葛葉稲荷神社

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第10説 信太森葛葉稲荷神社

 春休み目前の学校は、午前中授業のみだった。その日の帰り道、信太(しのだの)(もり)*葛葉(くずのは)()(なり)神社へ立ち寄ることにした。参拝を()ねた近況報告だ。信太森葛葉稲荷神社の方向に帰り道を歩いていると、自校の生徒らしき冬セーラー服の女子生徒が何やら、路上で落書きをしていた。女子生徒が立ち去った後、その落書きを見てみると、朱色(しゅいろ)のチョークで鳥居の地図記号が描かれていた。すると、その鳥居が点々と路上に等間隔(とうかんかく)で描かれている。  例の鳥居を追ってみると、見る見るうちに路地へ入ってく。まるで、猫の歩行経路のようだった。そして着いた先は、自分が立ち寄る先である信太森*葛葉稲荷神社だった。
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