序 章*日常と非日常

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序 章*日常と非日常

 僕は言い伝えや伝承(デンショウ)を信じないで、十三歳のここまでを生きてきた。もちろん、桃太郎やクリスマスの(セイント)サンタさんでさえ信じることはなかった。なぜ、信じないんだと聞かれると自分はいつも、こう答えている。 「(ウワサ)大抵(たいてい)は、大人の都合でしかないから…」 これが両親の都合で転々と全国各地を(めぐ)って、転勤(てんきん)暮らし同然の生活をしてきた自分なりの結論だった。でも約6年ぶりに戻って来た初春の大阪は今も変わっていなかった。
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