第01説 久しぶりの大阪(春)

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第01説 久しぶりの大阪(春)

 久しぶりに帰って来た大阪。引越し日和(びより)の今日は阪神高速湾岸線からの眺めがいい。*FMラジオから流れる曲と助手席からの車窓風景。僕の乗っている自家用車は眼鏡を掛けたお父さんが何時(いつ)もの様に安全運転をしている。後方には、この車に先導されるようにして、自分達の家財が載せられている()(くに)引越しセンターの荷物トラックが走行している。お父さんは(サイド)ウィンカーを点滅させた。これから高速道路を()りる。泉州インター出入り口の坂道を(くだ)り終わると同時にETCの自動音声アナウンスが流れた。  高速道を()りてからは、(しの)()(やま)方向へ地道を進んで行く。国道26号線を横切り、住宅街の路地へと入り込む。迷路のように入り組んだ路地を低速で進む。最後の袋小路に辿(たど)り着き、突き当たりの自宅へ無事に到着した。我が家に着いたのは(ちょう)()、昼過ぎのことだった。
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