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信太森葛葉稲荷神社の鳥居の前で一礼する。病気で亡くなったお爺ちゃんの影響で神社参りだけは欠かさなかった。そして病気が治ると信じて来る日も来る日も通った。でも、お爺ちゃんは…。大阪を出る時に書いた六年前の絵馬には、“もう一度、我が家へ帰って来れますように”と願い奉納した。連なる朱色の鳥居を通り抜け社に参拝する。 "これから"を祈願した。夕陽が沈みかけて、空には夕焼けが現れている。無事に参拝を終え、連なる朱色の鳥居を潜り戻っていると白い着物を着た白髪の若い女性と、すれ違った。自分が見ても、若しくは誰が見ても綺麗と言い張るであろう美人な女の方だった。振り返ると、そ
の女性に釣られるかの様にして朱色の鳥居にぶら下げられていた紅の提灯が、女の人が歩くに連れて自然と点いていった。その後、家に着くと疲れたせいか自分の部屋にある小さなコタツで、ぐっすりと寝込んでしまった。
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