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横山と東さんが、軽トラの荷台から大きな箱と小さな箱を慎重に降ろしていた。
あぁ、あの中にまた…
「おっ 三郎!仕事だよ、頼む」
軽トラに近づいた僕を発見した東さんが、ニッコリと笑った。
東さんは厳つい顔とゴツイ身体のオッチャンだ。
年齢は五十過ぎといったところか。
左手の小指がないし、裸になれば背中に入れ墨…もとい、綺麗な牡丹の刺繍が施してある。
初めて出会った時、ツルツル頭で目付きの悪いオッチャンに少し警戒したけれど、僕のセンサーは良い方にしか反応しなかった。
東さんがどんな経緯で、この動物保護施設にいるのか知らない。
横山にここに連れて来られた時には、もう働いていたし。
知っているのは…
あちこちから引き取られてくる犬や猫を満面の笑顔で迎え、汗水垂らしてお世話をし、理不尽な出来事に静かに怒り、突然の別れに涙する、穏やかで優しいオッチャンということ。
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