第1章

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俺に任された、見開きページは レストランや酒屋さん、お団子屋さんや、ケーキ屋さん いろいろな店舗がお祝いセットや おめでたいメニューを考えて参加してくれた。 タウン誌ぱーくの企画としても 過去最高の参加売上かもしれないと、上司も上機嫌だった。 俺もやっとこの仕事の楽しさみたいな物が分かって来て 今まで訪問していた先の 店主さん達とも、いろいろな会話が出来るようになった。 会話を通じて、お店の状況を知ったり、俺が手伝える事が見えて来たりする。 毎日立ち寄るコンビニの兄ちゃんとも、何気に猫の話しで盛り上ったり、ガレと知り合う以前の俺とは、雲泥の差だった。 この日も、いつもと同じように 駐車場の横で ガレー、ただいまあと小さく声をかける。 あれ?ガレがいない。 ガレー? 多分、寒いから俺を待たずに家にいて良いよと言ったから ガレージにいるんだなと ガレの好きなチュールを持って ガレージに向かう。 まるで彼女が待ってる家に向かうみたいだなと思った。 ガレージに入り、懐中電灯で照らす。 あれ?ガレがいない。 こんな事はガレと知り合って以来初めてだ。 無性に心配になり、いつもの駐車場とガレージの間を、ガレーと小さく呼びながら、行ったり来たり。 どれ位探しただろう? 事故にでもあったのだろうか? 誰かに連れて行かれちゃったんだろうか? ありとあらゆる不安が波のように押し寄せる。 アパートに帰っても ガレの事が気になって、その夜はほとんど眠れなかった。
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