第1章

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俺は今日の事をガレに報告したくて、足早に家に帰った。 ガレはいつも通り、駐車場で待っていてくれて、 いつもの道を歩いて俺をガレージまで連れてってくれる。 今日は、仕事途中、ホームセンターで少し大きめの懐中電灯とフワフワの毛布を買った。 ガレと話しをする時に ガレをちゃんと見たかったし、そろそろガレージでは寒いだろうな?と。 「ガレ、今日、嵯峨野屋さんてお茶屋さんに行ったら、あ、そこには福ちゃんっておばあちゃん猫がいるんだけどさ」と、俺は夢中で話した。 ガレはブルーシートの上のバスタオルの上の毛布の上で体を舐めながら、時折俺の顔をジッと見て 大あくびをしたりする。 飽きてる?俺の話し。 コンビニで買った、ガレのオヤツを手のひらに出してあげると ザラザラとした舌で美味しそうに舐める。 オヤツのお礼なのか、大股を広げて寝てくれて、お腹を触らせてくれる。 心を許してくれているガレが 愛おしくてたまらない。 この日は持っていたメモに 昼間の作業場の人へ 手紙を書いた。 自分がどう言う人物で ガレと知り合って、夜ここでガレにオヤツをあげている事、寒そうだったから毛布も敷いた事も、失礼のないように。 手紙を棚の上に置いて この日も「ガレ、又明日な、おやすみ」と言ったら、ガレは初めて ミャーと声を聞かせてくれた。 心が通じ合っているような錯覚に陥る。 おやすみってガレが俺に言ったんだって、小躍りしたくなるような気分だった。
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