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見廻り………かぁ。 夜の8時。俺は学校の校門前に立っていた。 夏とはいえ、そこそこ終わりに近づいて来たから、辺りは暗い。 「脩人遅いな」 呟いた瞬間。 「みーらいーー!!」 ぶんぶんと大きく手を振りながら走ってくる脩人がいた。 流石サッカー部。めっちゃ速い。 「脩人。大丈夫か?」 「うん。大丈夫。んじゃあ、見廻り、しよっか。」 先を行く脩人を小走りに追いかけた。 「ってもなぁ……懐中電灯一つかよ。職員室誰もいなかったじゃねーか。」 ………なんだよこれ。ほんとになんか出んじゃねーの?怖いんだけど。 いいかけた言葉を呑む。 荒い口調になるのは多分、実際怖いからだろう。 「まぁまぁ。俺が来た時もこんな感じだったし──」 ──ガッシャン!! 「うわぁぁああぁぁぁ!!」「うわっ!」 二人して絶叫した。 とはいえ、脩人は少し驚いただけ。 俺が絶叫した。 ──ガタガタガタガタ 「っわぁぁ!!やだぁ……もう帰ろうよぉ脩人……っ」 半泣きになって思わず脩人に抱きつく。 後ろに隠れて袖を引っ張った。 「えー?だってー未来ーやるって言ったしー?ていうかー未来ってお化け怖いんだ。」 くすくすと笑う脩人は楽しそうで、腹パンしてやろうと思ったが、自分がお化けに怯えてそれも出来ない。
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