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   目を開けたそこは、よく知る自分の部屋だった。 なぜか床に寝転がっていたけれど。 「…帰ってきてしまった」 もう少し王子様といたかった。 心の中が悲しみでいっぱいだわ。 「にゃー」 「もも…いたの」 私の傍らには、家で飼っているちょっとおデブ気味の猫、ももがいた。 冬場はこの大きな身体が温かくて湯たんぽ代わりになるのよね。 王子様との別れの悲しみとさみしさの後には、この奇跡を話したいという欲求が湧いてきた。 こんなとき、いつも話を聞いてくれていたのはあの女友達。疎遠になろうだなんて悪かったかしら。でも…。 「にゃーお」 「そうよね、話したらまた何か言われそうだわ。これは私の胸のうちに秘めるべきよね」 「にゃー」 ももが擦り寄ってくると、あたたかな体温に王子様のぬくもりを思い出した。 「私、これからも王子様一筋でがんばるわ」 王子様への貢ぎという名の愛の証明を、私はさらに頑張ろうと決意する。 今できた新しい夢は、もう一度王子様と会って、今度はデートすることよ! 終
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