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心地良いはずの愛撫さえも、感覚が遠く離れて行く。
自分だけ別の世界に切り離されていくようで、私は必死に晴馬の体温にしがみついた。
その感覚とは裏腹に、身体はこれまで培われた反応をして潤っていた。
晴馬と結ばれる喜びを知るこの身体が、離れて行こうとする私の精神をつなぐ命綱のようで頼もしい。
ふっと、力を抜いた途端に始まったあの感動的な衝撃に備えて頭を真っ白にする。
静かに爆発した光の衝撃波が襲ってくるような快感が全身の隅々へと広がった。
私の中で花火が咲いたようで、キラキラと細かな光が降り注ぐ・・・。
泣いているのは誰だろうか?
こんなにも近くに居るのに、どうしても届かない。
その悲しみは癒せないものだろうか?
「泣かないで」と、何度も口を登ってくる言葉に私は支配される。
泣いているのは私も同じ。
晴馬が泣いているのは、自分を責めているから・・・?
苦しいの・・・。
苦しいの・・・・。
苦しくて息もできない・・・・・。
「晴馬が思い詰めていくのはとっても苦しい・・・」
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