第1章 無限回廊1周目

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「犯人が捕まってないし、園長先生の遺体を発見したのはお前だ。何か巻き込まれる可能性だって考えられるだろ?」 「私のこともお母さんのことも公表されてないし、一部の知人は知って居るけど今までだって大したことにはならなかったよ。心配しないでも良いと思うの」 「甘い、甘いよ!相手はきっと男だ。博子さんにヒドイことした男じゃないのか?」 すごく必死に危機感を訴えてきた夫に力強く抱きしめられた。 「晴馬?」 「怖いんだ」 「大丈夫だよ」 「ダメだよ!油断するな!! お前が考えているような相手じゃないかもしれないだろ? 博子さんはそいつの殴られてたんだろ? 園長先生は花瓶で頭を割られてたんだろ? そんなことが出来るヤツが、まだ警察にも見つからずにうろついてるんだ。 もしかしたら、どこかでお前が博子さんを見つけたり、園長先生の車を見つけたことを知って、探してるかもしれない・・・。 高橋さんもうちに出入りしているし、病院にだって、保育園にだって、行ったんだろ? そこにいたのは誰だ? 俺が犯人なら、もうそろそろお前を見つけ出す頃だ・・・」
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