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翌週、朱里の免許更新の場所が佑樹の会社の近くだったので二人は例のカフェで待ち合わせることにした。
「あ、ここだ。」
注文したコーヒーが来るまでの間、佑樹との結婚について考えていた。
佑樹と付き合って3年が経ち結婚するなら彼かもと思ってはいる。
しかし入社して5年目の28歳。もう少し仕事をバリバリ頑張りたい気持ちもある。
「最近、やっと仕事も楽しくなってきたしなぁ」
小声で呟いて、ふと隣に置かれた棚を見ると佑樹の言っていた通り可愛い雑貨がところ狭しと並べられていた。
「かわいい」
そう呟いた時、ちょうど店員さんがコーヒーを運んできた。
「本も雑貨も、ご自由にご覧くださいね」
ありがとうございますと言いながら早速朱里は立ち上がり店内の棚を見て回った。
好みの雑貨を見つけ手に取ろうとした時、黒スーツの男性が3人入ってきたのが視界の隅に見えた。
何だろうこの人たち…場違い。
あまりジロジロ見ないようにと背中を向けた時、突然その内の一人が朱里の腕を掴んだ。
「何ですか、いきなり。警察呼びますよ」
驚いた朱里は、そう言って掴まれた腕を振り払おうとしていると、もう一人の男が何かを見せてきた。
どうやら警察手帳のようだ。
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