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「私どもが警察です。あなた杉ノ原朱里さんですね」
「そうですけど何ですか?」
「驚かせてしまい申し訳ありません。先ほど逃走を計られたもので、つい声をかけるよりも手が先に出てしまいました。」
「はぁ。」
そう説明されたところで、警察に名指しで呼び止められる理由は全く思い当たらない
「先月誕生日を迎えられましたね。」
「そうですけど」
警察と名乗る黒い3人組は逃げられないようになのか朱里を囲んで詰め寄ってきた。
「結婚はされてませんよね」
「してませんけど?それが何か問題がありますか? 」
結婚をするかどうかまで警察にとやかく言われる筋合いはない。
再度謝罪の言葉が出るのだろうと思って睨むように見てみると彼らは皆眉をひそめていた。
「はい?大アリでしょう。まさか、知らなかったことにしようとする気ですか?未婚者移住計画を」
「未婚者移住計画ぅ?」
朱里はすっとんきょうな声を出した。
「33歳になった未婚の男女は火星に移住することと決定がなされて、もう3年。知らないはずはないでしょう。」
そんな変な話聞いたことがない。火星を出してくる辺り彼らは警察を名乗るヤバい人たちなのかもしれない。
「あの、私には婚約者がいますので。」
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