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ぶつかる水商売
「え! あっしの職業は『公娼』でござんすか?」
この世のあらゆる人の適職を裁定する宗教国家ーーー「職安寺」。異国より伝来したその教えはこの国を《戦国時代》へと改変させた。
職安寺に裁定された人々はその適職により、経済的戦乱を起こし、平和なのか無法地帯なのか中途半端な秩序と化した。
クナイは仕事を求職し、職安寺へと訪れた。労働厚生の教えを説く職安寺はいつのまにかこの《戦国時代》の統治機構となり、労基(労働基本憲法)で民衆に安寧をもたらした。戦国時代の名はあくまでビジネスの競合である。
クナイの適職を裁定するのは僧侶である。
「クナイ様は水商売の才能がありますですです。ヴァジュラの計算より裁定結果が出ました。全てはインドラ様のお導きですです」
職安寺は1神教であり、雷神インドラを唯一神とし、ヴァジュラとは情報処理端末の総称である。民の適職を裁定するのは《戦国時代》最速の処理速度を誇るスーパーヴァジュラである。
「え? あのこのセーラー服で眼鏡は適職のために職安寺が提供してくれた衣装でござんすよね?」
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