ぶつかる水商売

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 しかし職安寺からは公娼旅芸人が適職だと診断されたのでそれ以外の職種を選択することができない。職安寺は絶対権力だからだ。  走行中。どこからか息切れしながら走っている音が聞こえてきた。家屋ばかりで見通しの悪い交差点に差し掛かりクナイは壁に背中をくっつけて曲がり角を覗く。すると遠くから男子中学生が大急ぎで走っている。 「遅刻しちゃうぜ!! 遅刻しちゃうぜ!!」 (どうこう事でござんすか!!)  今は真昼間である。給食の時間帯だ。男子中学生は給食時間の最中に遅刻してきすいませんとか謝って入室するというのかありえない。  クナイは電文通りに男子中学生が交差点に近づまで待ち伏せる。それからほんの数秒間で男子中学生は交差点にさしかかる。 (今でござんす!!)  両者激突。  空中を舞う生の食パン。  前から転げる男子中学生。尻もちをつくクナイ。 「痛いな!! な、なんなんだぜ!! あんた!!」 「ちょっと、どこを見てるのよ!! お前さん!! あっしも遅刻しそうでござんすよ!! 前を見て…………」  尻もちをついたクナイは両足をM字開脚のように開いてしまい、下着が男子中学生の視界に入る。 「白……!!」 「見るなでござんすぅううううううう!!!!!!」  赤面にしながら両足をとじて鉄拳を男子中学生の頬に浴びせてしまう。     
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