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私はといえば、この状況も妖精の言っている言葉の意味も解らず、
ただ黙って妖精の話を聞いていた。
「元の世界ーあっちの世界に行ったら、私はどうすれば良いんですか」
「整形をしろ、整形を。お主、生前容姿の事で随分悩んでたみたいだがー
お金も時間もあるんだから、美容整形の一つくらいしたらどうじゃ。
軽く二重になるくらい、今の時代整形でもなんでもないわ」
初対面の相手に面と向かって整形とは、失礼な。
でもある意味真理を突いているかもしれないと、生前ウダウダ言いながら何もしなかった自分を思い出し、そう思った。
「いや、でも私の場合ケロイド体質なんで、整形は結構抵抗あるっていうかー
歳取って崩れるのも怖いし」
「整形が駄目なら、せめて服装と髪型を整えい。あとメイクもな。
案外、それだけで結構変わるぞ」
生き返るだの、実験台になれだの、この妖精は本気でそう言っているのだろうか。
そうは思えないのだが、このまま終わるのも惜しいと考え、力強く相槌を打つ。
「次に、ラブ&ピース。高校時代のクラスメイトや、支えてくれる友人に感謝するんじゃ。怒りという感情を全て忘れて、生きてみたまえ」
「それはちょっと難しいかな・・・やっぱいじめられた事とかショックだったし。過ぎたことはもう取り戻せないし」
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