世の妻たちが抱える悩み

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世の妻たちが抱える悩み

私ー有村久代は今、あることで非常に悩んでいる。 年々増える白髪の数についてではない。夫・有村浩司についてだ。 「僕はお姉ちゃん子。実家の食べ物も空気も大好きさ」 出会った時、そう高らかに宣言していた夫・浩司は、月に一度は必ずと言って良い程自身の実家に帰り、ニコニコと上機嫌な表情で我が家に帰ってくる。 「姉ちゃんが土産物に買ってくれた。どうだ、スゴいだろう」 そう言って夫ー浩司が自慢気に見せてくるものは、いつもいるのかいらないのか分からないものばかりで、正直見るたびに戸惑ってしまう。 「ちょっとォ、お父さん。そんなもの外着て歩かないでよ、恥ずかしい」 「ゲッ、何処で買ってきたの、そんなもの・・・」 3日前ー夫がお義姉さんからもらってきたものは、乳首がスケスケのTシャツで、こんな物着て歩いた娘たちが恥をかくじゃない!と、思わず悲鳴を上げてしまった。 (全く、主人の実家好きには呆れたわ) 私にも実家はあるが、電車もバスも通っていないドがつくほどの田舎で、 母親と父親が口喧しいこともあって、夫ほど実家を恋しいとは思わなかった。
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