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「今日は何でも好きなもの食べんさい。俺の驕りじゃけぇ」
そう言って、私たち3人を、豪華な食事屋に連れてってくれる、
家族想いで優しいところもあるがーしかし、私とは意見が合わない。
「まァ、こんなに高い寿司・・・」
一緒に食事に行くと、夫には聞こえない声で、私はいつもそうボヤいている。一貫300円ーこんな高いものに、沢山のお金を費やすその神経がまるで理解出来ない。
「母さんは、僕が行きたい大学を何個も受けさせてくれた」
と夫は言うが、私の家は裕福な方ではなく、本命と滑り止めしか大学を受けられなかった。本命の大学に受かったから良かったものの、滑り止めの大学に進学していたらどんな人生が待ち受けていたことやら・・・。
(ま、何処の夫婦にでもある悩みよね、こういうのは。)
そう言い聞かせ、いつも自身を慰めるが、本当は哀しみと無力感で一杯だった。育ちの違い、価値観の違いーそういうものが、【夫婦】という形になると、アリアリと見せ付けられるような気がする。
「とりあえずあのスケスケのTシャツ着るのヤメてくれないかしら・・・」
実家好きも、金銭感覚が合わないのも、しょうがないと諦めた気持ちでいるがーせめて、あのファッションだけは直してくれないだろうか。このままでは私も娘も笑われてしまう。はぁぁ、と溜め息を吐き紅茶のマグカップに手を掛けた。
【あとがき】
私のお父さんのことをありのままに書いたらひどいことになった。
今ブリーチの作者のコラ画像(あの有名なやつ)みたいなひどいことになってる。誰かどうにかしてあげて欲しい。
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