白雪姫

1/92
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ

白雪姫

あるところに、それはそれは美しい娘がおりました。 その娘は名を(ゆき)といい、みすぼらしい身なりをしていました。 娘は自然を愛するあまり、毎日動物たちと(たわむ)れていました。 「雪!雪!今日は何のお話をしてくれるの?」 「わたし、今日はお姫様のお話が聞きたいわ!」 雪はその温厚さ故か、村の子供たちにも「雪」と呼ばれ親しまれていました。 「お姫様のお話?いいわよ、でもそうねぇ。少し長いから、明日も、あさっても、ずっとそのお話になっちゃうかもしれないわ。それでもいいの?」 おっとりとした口調で、雪は子供たちに尋ねました。 「いいよー!!」 子供たちの元気な声に、雪はにこりと笑うと、そっとお話を始めました。 「あるところにね、それはそれは美しい、お姫様がいたんだって…」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!