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白雪姫
あるところに、それはそれは美しい娘がおりました。
その娘は名を雪といい、みすぼらしい身なりをしていました。
娘は自然を愛するあまり、毎日動物たちと戯れていました。
「雪!雪!今日は何のお話をしてくれるの?」
「わたし、今日はお姫様のお話が聞きたいわ!」
雪はその温厚さ故か、村の子供たちにも「雪」と呼ばれ親しまれていました。
「お姫様のお話?いいわよ、でもそうねぇ。少し長いから、明日も、あさっても、ずっとそのお話になっちゃうかもしれないわ。それでもいいの?」
おっとりとした口調で、雪は子供たちに尋ねました。
「いいよー!!」
子供たちの元気な声に、雪はにこりと笑うと、そっとお話を始めました。
「あるところにね、それはそれは美しい、お姫様がいたんだって…」
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