白雪姫

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◇ お城でのことです。 女王様は、煮えたぎるかまどを眺めていました。 大きなシルクのソファーに腰かけて、昼間からワインを飲み飲み、かまどを眺めていました。 かまどの中の赤い液体は、どんどん緑に変色していきました。 「ふふ、ふふふっ…」 くるり、くるりと、女王様はグラスの中のワインをかき混ぜるように傾けると、そのままかまどの中に放り込みました。 髪をとかすくしも。 「カエルの脳に、トカゲのしっぽ。ブドウのワインを煮立てて煮立てて♪出来上がるのは何かしら。くしを入れたらどうかしら?出来上がるのは毒のくし♪」
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