小説家を目指している女の子のはなし

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そうずっと疑問に思っていた。 (売れる作家さんって、大体が早稲田大学とか明治大学卒だし・・・ 私は地元の2流大学・・・そんなに頭も良くないし、無理かなぁ・・・) みんな頭良いんだなぁ、と思うと暗澹とした気持ちが一層強くなる。 頭の良さだけでなく、経験の数も大事だとあるプロの作家さんは言っていたが― そうは言っても、やはり頭が良いに越したことはないだろう。 「小説家なんてなれるワケねー」 と、ボヤきながらキーボードを打っているのは何故だろう。 あっさり希望を捨てたくないという想いがきっと何処かにあった。 「小説家はねェ・・・歳取ってからでも目指せるしねェ・・・」 「若いうちは汗水垂らして働くのが一番さ。父さんのようにな」 2日前の、父母と交わした会話が脳内で再生される。 小説を一生懸命書いている私に、哀しそうな表情をして2人はそう言った。 「解ってる、本業優先でしょ」 分かってますって!と大きくVサインをして誤魔化しているが、 内心は小説を書くことで頭がいっぱいだった。 本業を辞める気は毛頭ないが、気持ちが大きく揺り動いているのも、また事実だった。 「売りっ子作家になりたいけど―無理だろうなぁ・・・でも諦めたくないなぁ・・・」     
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