甘い誘惑を断ち切って

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『冴えない男と関係を結ぶ女の気持ちが』ではない。 既婚男性と愛を深めてしまう、女の気持ちが、である。 「今年の春に結婚しましたー。長年俺達の恋の行方を見守ってくれてありがとう!」 という学生時代の友人(男性)からの葉書や、 「真莉子さん、大丈夫?重い荷物、運ぶの大変だったら手伝ってあげるよ」 と優しく声を掛けてくれる職場の男性(既婚者)や・・・。 特に、後者の人とは仕事の都合で一緒になる時間が多くなるということが多い。 これだけ周りに『きっかけ』が転がっていて、そういう関係に落ちるなというのが難しい話である。勿論、そんな不道徳な罪を犯すまいと固く自身に誓いを立てているが。 「マリちゃん、今夜空いてる?良かったら一緒に遊ぼうよ」 「今度の日曜日、俺とデートしてくれないかなあ。一緒に行ってみたいお店があるんだ。」 大学を出て、2~3年の頃は良かった。周りは独身の男性ばかりで、 毎週遊ぶ男性にも困らなかった。それがいつ頃からだっただろう。 25、6の時に結婚ラッシュが始まり、気付けば独身の男性は周囲に 2~3人程しか居なくなった。 「俺もう結婚しちゃったからさー。一緒に遊べないんだ、ゴメンね」 「休日の日も子供と遊んだり、休む暇がないよ。独身だった頃が恋しいなぁ」     
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