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その笑みに、寒気が走るのは何故だろう。
「あのね、槐。私は一度言ったことを何度も繰り返す趣味はないの。分かる?」
「・・・ハイ」
ワントーン上がったその声が、何故かコワイ。
「これ以上埒の明かない話を続けるようなら、アンタの今日の寝床は庭になるわよ」
一気に氷点下まで下がったその低さに、槐も固まる。
姉が掴んでいるドアから一瞬『ミシッ』と音が聞こえたのは、気のせいだろうか。
・・・
「それじゃあ、これ以上話すことはないわね」
そう言って踵を返す姉に、無言で頷くしかできなかった。
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