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「脱税?」
千葉地方検察所松戸支部の一室で、千鎖律華はそう呟く。
「ああ。テーマパーク『ハイランド・卯木』のオーナーがやってるらしい。
どうした?いつもなら喜々として捜査に加わるのに」
電話向こうの相手は、いつもと違う彼女の様子に違和感を覚えながらも問い返した。
次いで、舌打ちの音がその場に響く。
「佐柳(さなぎ)さんが熱を出してダウンしたとかで、その分の仕事がこっちにも回ってきてるんですよ。
ただでさえ忙しいってのに、冗談じゃないわ」
「・・・そりゃあ、お疲れ」
いつも以上にガラの悪い律華の様子に、受話器からは労いの言葉が届く。
が、今の律華には神経を逆なでするものでしかなかった。
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