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音源は、姉の律華(りっか)だった。
「コッチは午前様で疲れてるのよ!
それとも何?アンタはこの家の稼ぎ柱である、お姉様の貴重な睡眠を邪魔したいワケ?」
げ
「め、めっそうもございません。お姉様・・・」
この姉は五年程前に司法試験に異例の若さで合格し、現在は検事という職についている。
一応、優秀で有能な検事らしいが、家ではそんなことはカケラ程も感じさせないばかりか、むしろ悪魔に近いものを感じさせるような存在だった。
それはさておき、寝起きの姉はただでさえ機嫌が悪い。
今朝は、更に強引に起こされたとあって大層ご立腹だ。
これ以上、姉の機嫌を損なうのは得策ではないと判断した上で、それでも槐は口を開く。
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