1050人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうか」
どことなく嬉しそうな低い声音が耳に届いて、やっぱり伝わったと嬉しくなる。
ブルームの大きな手のひらがソルフィオーラの華奢な肩を抱き寄せた。
見上げればサファイアの双眸がソルフィオーラを見つめていた。
青い視線が交じり合って、どこからともなく近づいて、キスをした。
短なものでも、確かな幸福を感じるキスだった。
笑い合ってソルフィオーラは自身の腹に手を当てて呟く。
「今度はあなたに聞かせる番ね」
いつか大きくなった我が子もまた、自分たちのように幸せな物語を紡いでくれると信じて。
これからも、この先もずっと、未来を繋いでいく。
幸せな物語は、まだ終わらない。
fin
最初のコメントを投稿しよう!