終章 月と太陽が繋ぐ未来

4/4
前へ
/298ページ
次へ
「そうか」  どことなく嬉しそうな低い声音が耳に届いて、やっぱり伝わったと嬉しくなる。  ブルームの大きな手のひらがソルフィオーラの華奢な肩を抱き寄せた。  見上げればサファイアの双眸がソルフィオーラを見つめていた。  青い視線が交じり合って、どこからともなく近づいて、キスをした。  短なものでも、確かな幸福を感じるキスだった。  笑い合ってソルフィオーラは自身の腹に手を当てて呟く。 「今度はあなたに聞かせる番ね」  いつか大きくなった我が子もまた、自分たちのように幸せな物語を紡いでくれると信じて。  これからも、この先もずっと、未来を繋いでいく。  幸せな物語は、まだ終わらない。 fin
/298ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1050人が本棚に入れています
本棚に追加