仮カレ

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お互いに貪欲だった。 求めても求められてもまだ足りなくて、一旦始まると終わらなかった。 私も彼も汗が滲み、私の意識が飛びそうになったところで漸く事を終えた。 翌朝、変な感じだった。 私の部屋で彼が朝食を食べている。 そして、左手で新聞を捲っている。 嘗て誠二がそうしていたように、今は彼が私の前でそうしている。 「ねぇ、旦那はどんな男だったんだよ」 「何もおもしろい話なんてないわ。普通の男。 でも、接客業だったから、口はうまかったかもしれない。 私も、その言葉に騙されたのかも?」 そう話して笑って誤魔化した。
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