3000人が本棚に入れています
本棚に追加
お互いに貪欲だった。
求めても求められてもまだ足りなくて、一旦始まると終わらなかった。
私も彼も汗が滲み、私の意識が飛びそうになったところで漸く事を終えた。
翌朝、変な感じだった。
私の部屋で彼が朝食を食べている。
そして、左手で新聞を捲っている。
嘗て誠二がそうしていたように、今は彼が私の前でそうしている。
「ねぇ、旦那はどんな男だったんだよ」
「何もおもしろい話なんてないわ。普通の男。
でも、接客業だったから、口はうまかったかもしれない。
私も、その言葉に騙されたのかも?」
そう話して笑って誤魔化した。
最初のコメントを投稿しよう!