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「なんで子供いないの？」
「まだ仕事をしたかったから。
聞こえはいいけれど、アラサーがそんな悠長なことを言ってたらダメなんだけどね。
でも、本当に仕事をしたかったからなの」
本当のことなのに虚しくなった。
後悔なんてしていないのに、心のどこかで後悔しているの？
やり直したいわけではないのに自問自答したりして、我ながらバカだと思わずにはいられなかった。
「よく子供できなかったね」
「それはそうよ。しっかり避妊したもの。
基礎体温しっかりつけて、排卵検査薬まで使って、危ない日には絶対にしなかった。
彼も気づいていなかったと思うわ」
もう１つ付け加えるなら、誠二は彼のように野獣ではなかった。
自分の欲がなくなるまでなんて抱かない人だった。
年齢云々ではなくだ。
散々遊んで来たからと考えたこともあったけれど、そういう人だと思えば疑問はなかったのだ。
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